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ガンダーラの仏像
ガンダーラは今のパキスタンの北西、アフガニスタンとの境あたりのペシャワール渓谷に栄えた王国です。紀元前6世紀にアケメネス朝ペルシャの属国として名前が登場し、その後、マケドニアのアレキサンダー大王によって征服されたあと、仏教の保護者として有名なアショーカ王のマウルヤ朝や、ギリシャ人系の国、さらにカニシカ王のクシャーナ朝などの属国となりました。
一説にはこのガンダーラで仏像が作り始められたといわれています。即ち、初期の仏教では偶像の崇拝は否定されていましたが、アレキサンダー大王以降この地に侵入したギリシャ文明の影響で仏像が作られ始めたという見方です。実際、仏像などにはギリシャ彫刻の影響がみられるものもあります。
ガンダーラは紀元2世紀のカニシカ王の頃に黄金時代を迎え、仏教美術や仏教建築が盛んとなりました。ペシャワールには120メートルもの巨大な仏塔が建っていたといわれています。断崖に掘られた磨崖仏も有名ですね。しかし、5世紀になると匈奴の侵攻をうけ衰退します。
ガンダーラはその後ヒンズー教やイスラム教の国々によって支配され、仏教美術は次々と破壊されていきます。つい最近もアフガニスタンのタリバンによる磨崖仏の破壊をテレビで見てショックだった記憶があります。現在も彼の地は戦争中なわけです。ガンダーラ仏が日本でも買えると聞いて、最初はいいのかとも思いましたが、そういう状況を考えると、あちらに置いておくよりもいいのかもしれませんね。購入した方は、2-4世紀の歴史的意義のあるものであることを認識して大事にしていただきたいものです。